【前置き】
せっかくなので、午後2の論文形式で書いてみた。少し堅苦しい感じはするが、なかなかの出来だと自負している。本試験でもこのくらい心地よく書けたらいいのだが・・。
【本文】 合格体験記(システム管理)
1.受験の背景及び概要
1-1.私の業務内容
情報処理サービス企業に勤務する私は、主に金融業のオンライン及びバッチシステムのソフトウェア開発に長年携わってきた。ただし近年はシステムの大規模化と複雑化に伴い、稼働後の運用が重要になってきたため、資源管理、障害管理、性能管理といった業務を本格的に担当している。
1-2.試験に対する考え
情報処理技術者試験は、その業務に従事するために取得が義務付けられているわけではない。資格として保有していなくとも仕事には就ける。しかしながら、IT技術の進歩や変化が著しい状況では、日頃から知識を吸収し技術レベルを自発的に向上しようとする姿勢が重要であると私は考える。
こうした考えに基づき、私自身に最も必要なスキルは何かを考察したところ、システム運用全般における管理業務であるとの結論に達した。試験区分では、テクニカルエンジニア(システム管理)に相当する。
1-3.到達目標・スケジュール概要
システム管理は今回で3回目の受験である。1回目は試験に対する取り組みが甘く勉強量が不足していたこと、2回目は試験当日の午後1で想定外の失敗をしたことが、不合格の原因である。2回目の成績は、午前が680点、午後1が530点であった。そこで私は過去の経験を踏まえ、今回は午後1対策の重点的な実施により弱点を克服し、併せて論文対策も十分に実施し「合格すること」を最終的な到達目標とした。
また、試験勉強は3ヵ月前から開始し、前半は午前及び午後1対策、後半は午後1及び午後2対策を中心としたスケジュールを計画した。
2.私が実施した試験対策
2-1.午前対策
午前の試験については、前回のスコアが680点と足切りラインを超えていることから、今回はこの成績を維持すればいいと考えていた。しかし私はある懸念を抱いていた。それは、今回の試験からセキュリティ分野の見直しにより問題数が50問から55問になる点である。問題数の単なる増加ではなく、問題の傾向が変わる可能性があると予測した私は、情報セキュリティアドミニストレータの午前問題集を1冊購入した。そして通勤時間を利用し、1日20~30問のペースで解いていった。
2-2.午後1対策
上記1-3で述べたように、午後1の得点力向上が合否のカギを握ると判断した私は、以下の対策を実施することにした。
(1) 過去問題の反復練習
午後1試験は90分で3問を解答する。つまり1問当たり30分で解く必要がある。前回の試験における失敗は、この時間配分のミスにあった。私は1問目で45分も費やしたため、残りの問題を満足に解答できなかったのである。こうした失敗を避けるため、素早く問題文を読み取る力を養う必要があった。そこで私は、過去問題集を1冊購入し、時間内に読解し解答できるようになるまで2~3回繰り返して練習をした。この方法により、例えば資源管理が弱いとか性能管理は問題なしといった見極めを行い、弱点を集中的に補強していった。
(2) 解答・解説の検証
反復練習を進めるうち、過去問題に対する解答及び解説に疑問を抱くケースが生じた。自分の作成した解答のほうが適切ではないか、という疑問である。午後1は出題内容により別解もあり得るとはいえ「最適解」を追求する姿勢が大切と考える。そこで私は、問題集の解答及び解説を鵜呑みにせず、十分に検討したうえで自分なりの解答を導き出すことに時間をかけた。その際、制限字数内にキーワードを的確に含めるよう意識した。
2-3.午後2対策
論文については、まず前回の試験で準備していたものを再検証し、不足している点や修正すべき点を一覧表に整理した。次に検証ポイントとして、(1)題意に適合しているか、(2)システム管理者としての観点か、(3)具体的な論述か、(4)主張の根拠・理由はあるか、等に留意しながら、3種類の論文を各々3~4回書き直した。ここで注意したのはパソコンの利用である。前回の準備論文は電子ファイルとして保存していたが、これをパソコンで修正するだけでは「紙に書く力」が向上しないと判断した私は、極力パソコンの利用は避け、原稿用紙への手書きを実行した。初めは考えながら書くため1本仕上げるのに3時間以上かかったが、徐々に時間を短縮するよう意識して取り組んだ。
2-4.その他(共通的な対策)
(1) 公開模擬試験でのレベルチェック
以上に述べた対策は独学であるため、合格レベルに到達しているかどうかの客観的な評価ができないという欠点がある。その欠点を補うため、私は専門機関の企画する公開模試に申し込み、試験対策の達成度を確認した。
(2) ブログによる情報整理
試験勉強の開始にあたり、モチベーション維持・向上を目的としブログを開設した。充実を図るため、過去問題を解いて自ら検討した内容を定期的に掲載した。
(3) スキル標準の再確認
試験センター発行のスキル標準は、情報処理技術者として要求される水準を定性的に示している。私は原点に戻る意味で、システム運用管理業務プロセスのスキル基準に関する達成指標を箇条書きにまとめ、再確認した。
3.評価及び課題
3-1.試験の結果
今回の試験成績は、午前が720点(前回より40点アップ)、午後1が720点(前回より190点アップ)、午後2がA評価(前回は評価なし)を獲得し、合格できた。到達目標をクリアでき満足している。
3-2.試験対策の評価
上記の結果から、私の実施した試験対策は、全体として成果があったと評価している。特に効果が大きかったのは、スコアの伸びが示すとおり午後1対策である。計画当初から午後1を重視したことが奏功したと言える。また、論文については、試験直前まで論理性や文章構成について入念な検証を繰り返したことが自信となり、合格につながったと言える。
3-3.今後の課題
私の論文がどのように採点されてA評価となったのか、気になるところである。合格はしたが、決して納得のいく論文が書けたとは考えていない。システム障害の再発防止策というテーマに対し、根本原因の究明が甘いとか、防止策の具体性が不足ぎみといった反省点があり、一歩間違えると不合格になっていた可能性もあると思われる。
したがって今後、他の試験区分を受験する場合には、今回の反省点を考慮し、合格水準に達するための対策を確立していく必要がある。さらに、試験対策を日常の業務と結びつけ、有益な活動を続けていきたい。
以上
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わたしの場合は本番の午後IIでこんなにきれいに文章をかけず、
実務で行った内容を何とか字数制限越えるようにまとめた様な状態でした。
文章構成としては非常に粗雑な物だったと思います。
しかし実務ベースで要点を押さえることができたので合格できたのだと思います。
(ヘルプデスクの機能強化はまさに今取り組んでいる職務です。)
普段の取り組みについては、合格しても会社からご褒美がないので、模試などの受験は行わず、
参考書を一冊だけ買って、それをちょこっとずつ読み込む様なスタイルで半年取り組みました。
あとは文章を短時間でかけるように、Blogを始めて文章作成に慣れるようにいたしました。
(Pmanさんの指摘したように紙に文章を書く力は向上しないため、いっぱいいっぱいでしたが(^^;)
午前、午後I についても特に対策を行ってはおりません。日頃よりメディアの気になる記事を読み込み、考え方を身につけるようにしていました。
あまり参考にならないかも知れませんが、こんなスタイルでもなんとか合格できております。
秋の上級シスアドはユーザー部門で使う人の視点から見ることが必要なので、だいぶ苦労しそうな予感がします。(前回は論文でC判定でした。)
ではでは