ゆっくり、のんびり、マイペースでいきたい人へ。
不況だ不景気だと世知辛い世の中であっても、我々が安心して暮らすための拠り所があれば何とかやっていける。そうしたことを教えてくれたのがこの本である。スローライフもいいが、私はむしろ副題にある「緩急自在」のほうが印象に残った。なぜなら、人が生活していくスピードはいつも一定ではなく、ゆっくりのときと速いときがあり、そのペースを自分でうまく切り換えて調節することが大切だと思うからである。緩急は、1年にも、1ヵ月にも、1日の中にもあるし、また、長い人生の間にもある。
ニュースキャスターとして活躍した著者は、ITが社会の発展に大きく寄与したことを認めながらも、それで人は幸せになれるのかと問うている。決してITに対する否定的な問いかけではなく、ITというのは一体何のためにあるべきかという根幹に斬り込んでいるのである。この初めの1章を読むだけでも、スローライフの意味するところが伝わってくる。
昨年お亡くなりになった著者のメッセージを、心の拠り所としたい。
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